2022/10/30 13:50

広辞苑によると、【享年】とは「(天から享(う)けた年の意)死んだ者がこの世に生きていた年数」で、【行年】とは「この世に生まれてから経過した年数」とあり、享年・行年は同義語として解釈されています。

仏壇店をやっており、以前のブログにも掲載したように、手書きで戒名を書いているものです。
その中で上にあるように、行年と享年について色々と言われています。
広辞苑にある通り、同じ意味で使う言葉です。

但し、ネット上のあるページでは行年は満年齢、享年は数え歳と断定している方がいます

しかし行年も享年も江戸時代や明治時代から使われている言葉の為、当然満年齢は使われておらず数え歳を使用しています。
また、位牌に書くということは、仏教徒で使われたはずであります。
仏教では、亡くなった日を1日と考え、6日目を初七日、その年の葬儀が一回忌と呼び、次の年の法事は一周忌と言いますが、次の年には三回忌となります。
一周忌はつまり二回忌であります。この考え自体が数え歳と同じであります。

昔使っていたから数え歳ではなく、この葬儀や法事の数え方を知れば、数え歳を使うのが良いと思います。

当店ではお位牌に記入する年齢は「行年」でも「享年」でも数え歳を採用しています。

そして、どうしても満年齢を書く場合は「享年 満九十九歳」「行年 満九十九歳」とすれば間違えることがないと思います。

ネット上に表現する言葉を断定することにより、困っていたり迷っている方がいます。
いくら、その店で行っていた事であっても、断定して表示するというのは、ネット社会ではやるべきでないと思います。

参考に「いい葬儀」では次のとおりです

「いいお墓」では

Wikipediaでは